病医院と違って内科、耳鼻科、心療内科、皮膚科など診療科の分別が無い漢方相談専門の薬局では毎日、多種多様な相談依頼がきます。
中でも患者ご本人からではなく、ご家族がいよいよ困惑して何か頼れるものは無いかと来局されるパターンが多いキーワードが認知症やボケ、アルツハイマーなどの問題。
認知症とは?
脳は、私たちのほとんどあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー小体病などがこの「変性疾患」にあたります。
続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。
厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dementia/a01.html
認知症というと重い症状ばかり思い浮かべていませんか?
加齢による物忘れ
認知症による物忘れ
体験したこと
その一部を忘れる
事柄自体(全部)を忘れる
物忘れの自覚
ある
ない
判断力
低下しない
低下する
日常生活への支障
ない
ある
症状の進行
極めて徐々にしか進行しない
確実に進行する
食べたメニューを思い出せない。 → もの忘れ。
食べたこと自体を覚えていない。 → 認知症の疑い。
同じ事柄を「たまに」言ったり聞いたりする。 → もの忘れ。
同じ事柄を「しょっちゅう」言ったり聞いたりする。 → 認知症の疑い。
「ときどき」探しものをしている。 → もの忘れ。
「いつも」探しものをしている。 → 認知症の疑い。
人の名前がすぐに出ない。 → もの忘れ。
人の名前が、ヒントを与えても出てこない。 → 認知症の疑い。
認知症の始まりを危惧される言動・パターン
もの忘れがひどい
切ったばかりの電話の相手の名前を忘れる。
同じことを何度も言う、問う、する。
しまい忘れ・置き忘れが増え、いつも探しものをしている。
財布・通帳・衣類などを盗まれたと、家族や他人を疑う。
判断力・理解力が衰える
料理・片付け・計算・運転などのミスが増えた。
新しいことが覚えられない。
話のつじつまが合わない。
テレビ番組の内容が理解できなくなった。
時間・場所がわからない
約束の日時・場所を間違えるようになった。
慣れた道なのに、迷うことがある。
人柄が変わる
些細な事で怒りっぽくなった。
周りへの気遣いがなくなり、頑固になった。
自分の失敗を人のせいにする。
「このごろ様子がおかしい」と周囲から言われた。
不安感が強い
ひとりになると怖がったり、寂しがったりする。
外出時、持ち物を何度も確かめる。
「頭が変になった」と、本人が訴える。
意欲がなくなる
下着を替えず、身だしなみに構わなくなった。
趣味やテレビ番組に興味を示さなくなった。
ふさぎ込んで何をするのも億劫がり、または嫌がる。
3大認知症とそれぞれの特徴
アルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症
血管性認知症
脳の変化
老人斑や神経原線維変化が海馬を中心に脳の広範に出現。脳の神経細胞が死滅していく
レビー小体というものができる事で、神経細胞が死滅してしまう
脳梗塞、脳出血が原因で、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死してしまう
画像で分かる脳の変化
海馬を中心に脳の萎縮がみられる
はっきりとした脳の萎縮はみられない事が多い
脳が壊死したところが確認できる
男女比
女性に多い
男性がやや多い
男性に多い
初期の症状
もの忘れ
幻視、妄想、うつ状態、パーキンソン症状
もの忘れ
特徴的な症状
認知機能障害(もの忘れ等)
もの盗られ妄想
徘徊
とりつくろい など
認知機能障害(注意力、視覚等)
認知の変動
幻視・妄想
うつ状態
パーキンソン症状
睡眠時の異常言動
自律神経症状 など
認知機能障害(まだら認知症)
手足のしびれ・麻痺
感情のコントロールがうまくいかない など
経過
記憶障害から始まり、広範な障害に徐々に進行する
調子の良い時と悪い時を繰り返しながら進行する。ときに急速に進行することもある
原因となる疾患によって異なるが、比較的急に発症し、段階的に進行していくことが多い
「認知症を知るホームページ」より
【監修】
横浜市立大学 名誉教授 小阪憲司先生
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授 水上勝義先生
認知症を疑う場合、何科のお医者さんにかかれば良いか?
なにも精神科や心療内科でなくても普段かかっている近所のお医者さんに相談することもできます。
認知症は約2年で軽度から中等度へ進行するとの報告もありますので、「まさかね」というくらいのうちに、一度相談しても良いでしょう。
早い時期からの認知症予防や、または周辺症状の緩和を目的とするならば……
もしもその「まさかね」の前段階での対策や、またはすでに発症した際の周辺症状の緩和を検討するならば、私たち漢方相談専門薬局の出番です。
上述したような兆候が見え隠れしそうな時にお声をかけてください。お医者さんにかかる前に出来る方法を提案いたします。
認知症・アルツハイマーに関しては、過去にこんな記事もありました。
その他、参考記事
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