着こなしワンランクアップ！イタリアンとブリティッシュは何が違う？
普段あまり注目して見ていない人にとっては、「スーツなんてどれも同じでは？」と思えるかもしれません。
しかしその他のファッションと同様に、スーツにもさまざまなスタイルがあります。
特にスタンダードなのはイタリアン・スタイルとブリティッシュ・スタイルです。
現在一般的に着られているスーツの大半がこの2種類のどちらかに分類できます。
それぞれの特徴を知っておくことで、ワンランク上のスーツの着こなしができるようになりますよ！
目次
2大スタンダード：「イタリアン」&「ブリティッシュ」
皆さんもご存知のようにファッションの世界は流行り廃りの大きいものです。
それはスーツについても同様で、デザインやカラーなどの流行が数年単位で移り変わっています。
しかし「イタリアン･スタイル」と「ブリティッシュ・スタイル」が2大スタンダードであることに変わりはありません。
イタリアン・スタイルとブリティッシュ・スタイルは、一見どちらも似ているように見えるかもしれません。
しかし実際に袖を通してみると、着心地はもちろんファッションとしてのイメージも大きく異なるものです。
それぞれの特徴について知ることで、TPOを考えたスーツ選びができるようになるでしょう。
また自分のスタイルや好み、演出したいイメージに適したスーツを着ることで、一味違ったオシャレ感を身につけられます。
イタリアン・スタイルの特徴
イタリアン・スタイルのスーツは、比較的柔らかでドレッシー。
肩パッドがあまり目立たず、引っ掛かりが少なく滑らかなシルエットが優雅な印象を与えます。
ビジネスシーンにはもちろん、カジュアルな普段使いの衣服としても身につけやすいスタイルです。
デザインとしては、次のような特徴があります。
・袖付けが立体的
・胸ポケットの端が舟型になる「バルカポケット」
・袖口に重ねボタン
・Vゾーンが深く、ウェストシェイプが低い
地中海に面したイタリアで生まれたイタリアン・スタイル。
1年中カラッとした気候の地域では、薄めで軽いデザインのスーツが好まれたようです。
またビジネス上の「作業着」としてよりも、ファッションの一環として楽しむ国民性の影響もあるとか。
ドレープのきいた美しいデザインは、デスクワークよりもパーティの方が合っているかもしれませんね
ブリティッシュ・スタイルの特徴
現代的なスーツが生まれたイギリスでは、伝統的なブリティッシュ・スタイルが好まれます。
肩パッドがしっかり入った山形のショルダー、固めで厚手のしっかりした生地、若干くすんだ色味など、昔ながらのトラッドなスタイルです。
もちろんカジュアルなタイプもありますが、やはりフォーマルなビジネスシーンによく似合います。
デザインの特徴は、次のようなものです。
・フランネル、ツイードなどの厚手の生地使い
・特徴的なチェック柄
・ナナメにつけられた「スラントポケット」
・Vゾーンが浅く、ウェストシェイプが高め
・ベルトレスパンツ
スーツといえばオーダースーツといわれるイギリスでは、ベルトをしなくてもサイズがピッタリであるのが普通。
そのためベルトレスパンツが一般的です。
どうしてもサイズが合わなければサスペンダーを使います。
ブリティッシュ・スタイルのスーツをフォーマルに着るならば、ピンホール&タブカラーのシャツを合わせるのが定番。
シューズは黒のレースアップシューズまたはダブルモンクストラップシューズに限ります。
せっかくトラッドなスタイルでキメるなら、足元までこだわりたいものですね！
着用シーンやイメージを踏まえた着こなしを！
今回紹介したイタリアン・スタイルとブリティッシュ・スタイルの他にも、アメリカ風・フランス風などのスタイルがあります。
どのスタイルを選ぶのかは好みにもよりますが、シーンに応じたチョイスが大切であることは変わりません。
一般の紳士服店で吊るしのスーツを購入する場合でも、スタイルの特徴を把握しておくだけで選びやすくなるでしょう。
当店のようなテーラーでオーダースーツを仕立てる際も、イメージを持ちやすくなるはずです。
ぜひTPOに合ったスタイルのスーツを身につけ、周囲に一目置かれるワンランク上の着こなしを目指してみてください！