2013.08.30Tips(ヒント)あれこれ
睡眠薬や抗不安薬に依存していないかどうかを確認する5つのポイント
先日、読売新聞・ 医療ルネサンスに興味深い記事が掲載されていました。 東京女子医大病院が患者向けパンフレットを作成し、 処方薬依存に注意を促しているそうです。 以下の5つのポイントに複数あてあまると処方薬依存症だと書かれ ています。
焦らないこと」が指摘されています。 急いで減薬しようとして苦しい離脱症状( 薬を止めた事による副作用) を経験してしまうと途中で挫折したり、 再度の減薬が困難になってしまうから、との事です。 複数の薬を長期にわたって服用してきた場合は、「 1年後に薬の量が半分になれば上出来」とも書かれています。
ールが出来た。
(4)寝つきが悪いので眠剤を飲んだらよく眠れた。
……といった所だと思います。
これらは薬によって病気が治った状態でしょうか? 答えは「No」です。残念ながら根本的な解決にはなっていません。治ったと勘違いするのは一時的に症状が消えたからで、薬の効果が無くなれば症状はまた出てきます。これを「対症療法」と呼びます。
そもそも薬による対症療法が適しているのは急性疾患です。上記でいえば(1),(2)は急性疾患です。この場合はバランスの良い食事と薬の服用、そしてしっかり静養することで自然に症状は出なくなる場合がほとんどですから、短期間の薬の服用でも問題はありません。
一方で(3),(4)の症状はどうでしょうか。これらの症状は慢性化している場合がほとんどです。慢性疾患に薬物だけで対処するのは、テストに一夜漬けで臨むようなもので、根本的な解決には結びついていません。
本来は健康を損なうマイナス要因を減らしながら、正しい生活習慣を心がけて、基礎体力を養うべきなのですが、そういった努力をする前に安易に「薬」に頼ってしまう……これではいつまで経っても薬から抜け出す事は出来ません。
私が相談を受けている薬局でも「もうすぐ健康診断なので、血圧を下げる良い漢方薬はありませんか?」といわれる事がよくありますが、健康診断の時だけ良い検査結果を出した所で意味はありません。薬は人の糧(血や肉)にはならない上に、副作用も発生します。
飲んだ途端に出来るだけ早く排除しようとします。 この時に負担が発生してしまう臓器が肝臓と腎臓です。 実は漢方薬も含む全ての薬が持っている副作用は、 この肝臓や腎臓にかける負担である、と私は考えます。
広辞苑によれば、副作用とは「 医薬の一定の作用を利用して治療しようとする時、それに伴って、 治療の目的にそわないか、 または生体に不都合な作用が起きること。また、その作用」 とあります。目立つ自覚症状が無くても、 副作用のある医薬品への依存からは脱却すべきでしょう。 患者を薬漬けにする医者も、薬を大量にもらって安心する患者も、 どちらも問題です。
その人の飲んでいる薬の種類や量、 条件が様々ですから一概には言えません。 私もそのようなアドバイスは普段からしていますが「減薬支援」 などのキーワードで検索をすると、 無理の無いペースで減薬をアドバイスしているサイトや施設も複数 見つかると思います。 まずはウマの合う相談相手を見つけることが大切です。
繰り返しになりますが、健康を願うならばあなたの体が生来持っている真の実力(免疫力、自然治癒力、生体防御機構、調整機能などと表現される)を徹底的に養う事が肝要です。体の基本(血肉や骨)を作るのは薬でなく、「食」であることを再認識しましょう。
処方薬への依存
記事の中では、薬を減らす時に注意すべき点として「
- 薬を2種類以上飲んでいる。
- 薬を6ヶ月以上継続して飲んでいる。
- 薬を飲み忘れた日にひどく眠れず不安であった。
- 薬を手元に持っていないと不安である。
- 薬を飲まないと眠れないのでは、と不安になる。
診療科を問わず減薬指導 (読売新聞 2013年8月26日)