2016.04.07漢方症例日記
症例報告~片頭痛に呉茱萸湯と加味逍遥散~
基本情報:
【症例】Aさん 30代、女性。160cm、50Kg、やや痩せ気味
【主訴】偏頭痛・冷え・生理痛
【初診】約10年間、社会人になってから、片頭痛が出始めた、ピークの時期よりはだんだん緩和してきたが、週2回程度で発症、右側の拍動性痛み、吐くこともあり、15~30分間で自然緩和、最近目の奥にも痛みが出てきたような感じ。片頭痛が痛くない時に、目の奥にも痛くない。手足先が冷え、霜焼け(-)、偶に寝る前に足つり(+)、ストレス(++)。暖水好きで約1.5L飲む、コーヒー1杯/日。生理予定日2-3日前から生理2日目まで、生理痛あり、薬なしで我慢できますが、体が怠くて、力が出てこないです。生理周期28~32日で、月経5日間、塊△、経月色は暗紅/紅色です。生理前に片頭痛も出やすく、吐くことも多い、イライラする。便通正常、尿1日10回、他異常なし。寝つきが悪くないですが、2時間ごと目が覚めます。夜トイレには行かないが、夢よく見る。偶に翌日睡眠不足。軽度花粉症、薬はいらない。
脈は細く、やや弦。腹直筋やや硬い、心下痞(+)。淡紅舌、苔やや乾燥し、やや厚く、黄色いです。
治療&経過
初診より、加味逍遥散と呉茱萸湯を1週間分を投与した。睡眠の改善は速かった。3日目からもう途中覚醒がなくなって、熟睡できました。その1週間に片頭痛は1回、夜に出ましたが、いつもより持続時間が長引いています。生理周期を確認してみると、生理前のことが分かった。発症の頻度が少なくなってきたら、同じくすで継続し、更に生理痛を治療する折衝飲を渡した。その後、生理痛はいつもより軽くなった。低温期にいつも週2回位の頭痛はないですが、排卵期にまた出てきました。ただし、痛みの程度や持続時間はいつもより良くなった。治療開始から2回目の生理は無事に来潮、頭痛はなっかた。その後、仕事が忙しく、薬が切れている状態で、3回目の生理に迎えました。生理の5日目に頭痛が出て、慌てって薬を貰いに来店しました。同じ薬で、その後の生理は無事に乗り越えました。最後に体質改善や片頭痛の予防を目指して、薬を減量で継続服用しています。
コメント
片頭痛は激しい発作性頭痛で、左また右の片側、まれには両側にくることもある。発作自汗は数時間から1~2日で、疲れた時、月経時などに起こりやすい。発作のさいには、食欲不振・悪心・嘔吐・光覚・聴覚および嗅覚の過敏を起こすことがある。
はげしい発作を繰り返す片頭痛には、この処方の応ずるものが多い。発作の時に、痛む側の筋肉が収縮するから、肩から首にかけて酷く凝る。特に発作時には嘔吐を伴い、このような状態があれば、呉茱萸湯を用いる。これで発作を抑制するばかりでなく、長期にわたって連用していると、発作がおこらなくなる。
富士堂漢方薬局 飯田橋店長 張 冬(ちょう とう)
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