2018.09.26病状別漢方治療
緑内障における西洋医学認識
緑内障は、正常に機能する視神経が減少する病気です。一度失われた視神経は、二度と元に戻りません。病気の進行とともに、見える範囲が徐々に狭くなり、最悪のケースでは、光を失うことになります。厚生労働省研究班の調査によると、我が国における失明原因の第1位を占めており、40歳以上の日本人には、20人に1人の割合で緑内障の患者さんがいるということになります。
閉塞隅角型は緑内障全体の1割を占め、50歳以上の遠視の女性に多い傾向があり、閉塞性隅角緑内障の原因は房水の流れる排水口が閉じて詰まる(虹彩が隅角に張り付いて出口を塞ぐ)。急激に眼圧が著しく上昇した場合(急性緑内障発作)は、眼痛・充血・目のかすみの他、頭痛や吐き気を自覚することもあります。こういう場合は、大変苦しいですし、急速に視野が悪化していきますので、すぐに治療を受ける必要があります。
一方、開放隅角型は自覚症状がないのに視野が狭くなる事が多い。通常視野欠損は周辺部から起きる。
ここに述べたいのが、原発開放隅角緑内障です。
緑内障は、眼圧によって視神経が圧迫され、視神経が減少するにつれて、視野や視力が障害される病気ですが。
視神経が痛められる大きな原因は、眼圧〈がんあつ〉が高過ぎる状態「高眼圧」です。
「房水」とは目の中を循環する液体のことで、毛様体という組織で作られて、虹彩の裏を通過して前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという定まった経路で循環しています。この房水の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼内に発生し眼球の形状が保たれます。
原発開放隅角緑内障は線維柱帯(とその奥にあるシュレム管)と呼ばれる場所が目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇すると考えられています。隅角とは、線維柱帯を含めての房水の流出路の場所で、角膜と虹彩の間を指す専門用語です。つまり、この病名は、「他の病気のためではなく(原発)」、「隅角が見かけ上開放されているのに(開放隅角)」、視神経が障害される緑内障であることを意味しています。このうち、眼圧がいわゆる正常範囲にありながら視神経が障害されるタイプの緑内障を正常眼圧緑内障といいます。
正常眼圧緑内障は、緑内障全体の72%を占めており、また、40才以上の17人に1人がこの病気になる。正常の眼圧は10~20 mmHgです、眼圧が正常にもかかわらず、視神経乳頭の陥凹が拡大するにつれて、徐々に視野の異常が現れてくる。 それは視神経乳頭の構造が相対的に弱い(眼圧に対する感受性が強過ぎる)場合です。
また、正常眼圧緑内障では、視神経の血液循環が悪かったり、遺伝や免疫、酸化ストレスなどのいろいろな原因のために、通常では緑内障を起こさない程度の眼圧でも視神経が障害されるのではないかと考えられています。また、正常眼圧緑内障の患者さんには高齢者が多くて、近視の頻度も高いことから、加齢や近視もリスク要因であると考えられています。
正常眼圧緑内障の人には、末梢血管の循環が悪いといわれ、冷え性の人が多く、手足の冷たい人、低体温、低血圧の人が多いと言われている。
分子栄養学的に考えると、正常眼圧緑内障の人は、通常からの食事が低タンパク食ではないかと思われています。野菜中心の食事だったり、偏った食事だったりして、栄養のバランスがとれてない ということになります。
原発開放隅角緑内障は自覚症状がほとんどないのが特徴です。しいていえば、頭痛や眼精疲労くらいです。進行すると、見えない場所(暗点)が出現する、あるいは見える範囲(視野)が狭くなる症状が最も一般的です。しかし、日常生活では、両眼で見ていますし、多くの場合、病気の進行は緩やかなので、初期は視野障害があってもまったく自覚しないことがほとんどです。実際、緑内障の患者さんが自覚症状で気がつくのは、かなり進行してしまって視野や視力が悪化してからということも多いです。視野障害が進行した場合は、視力が低下したり、場合によっては失明することさえありえます。しかも緑内障が恐ろしいことの理由の一つは、緑内障の進行は常に一方通行であり、喪失した視野や視力を治療によって取り戻すことができません。
視力が落ちてなくても視野が狭くなることはある。視野の中心部は視神経繊維が多いのでたとえ視野がかなり狭くなっても、視力は保たれることが多い。緑内障で視力が低下した時は失明が近くなった事を意味している。
一旦障害を受けた視神経や視野は元には戻らない。従って症状が無くても1年1回程度の定期検診がかかせない。
緑内障の西洋医学治療は、あくまでも緑内障の進行をゆっくりにするためのものであり、見え方を改善することはできません。
(正常眼圧緑内障を含めて)すべての緑内障において、眼圧を下降させることで、緑内障になるリスクが下がることが知られていますし、緑内障になった患者さんでも、その視野が悪くなる(緑内障が進行する)可能性を低くすることができます。したがって、緑内障の患者さんにとては、自分の眼圧値を知っておくこととともに、眼圧値を安全な範囲にコントロールしていくことが重要です。
治療の目的は進行を止める、または遅らせることであり、回復させるものでない。
多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。一種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、全身の副作用が強く出ることがあり、内服できない場合もあります。目薬は病状を維持するためのものです。症状が改善しないからといってやめてしまわず、長期的に根気よく続けていくことが重要です。
レーザー治療には主に二つの方法があります。一つは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。虹彩に孔を開けるときにレーザーを使用します。もう一つは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果があります。レーザー治療の痛みは極軽度で外来で行うことができます。
薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。手術をしても症状が改善するのではなく、あくまで眼圧を下げて進行を食い止めるのが目的です。残念ながら、手術してまもなく眼圧が再上昇のケースが少なくないです。
① 興奮しすぎたり、喉が渇いたからと水分を一度に大量飲んだりすると眼圧が上がりやすいので注意。水をたくさん飲んだ後で目の奥が痛いような場合は念のため眼科を受診した方が良い。
②ネクタイをきつく締めると頸動脈が締められ眼圧が上昇するので緑内障を誘発し易いとの調査研究がある。
③ ステロイド薬で眼圧が上がることがあるので、ステロイドを使う場合は、定期的に眼圧を測ること。
緑内障とは眼圧を十分下げると、緑内障の進行は改善できるか、阻止出来ます。緑内障と間違えやすい病気
緑内障では特有の視野障害から始まる。孤立暗点、弓状暗点、などが特徴である。
視野異常疾患で重要なのは視交叉病変である。下垂体腺腫、下垂体卒中、下垂体形成不全など脳下垂体に関係する病変を、緑内障と区別する必要がある。
外傷性視神経障害、虚血性視神経症、頭蓋内動脈瘤、視神経萎縮、脳腫瘍 などが鑑別診断の対象になる。
先天性視神経乳頭形成障害、遺伝性視神経萎縮、後天性視神経炎、虚血性視神経症、うっ血乳頭ばどは緑内障と間違えやすい病気で、眼圧を下げても病状は改善・停止しません。
1.緑内障の種類:主に開放隅角型と閉塞隅角型があります
閉塞隅角型は緑内障全体の1割を占め、50歳以上の遠視の女性に多い傾向があり、閉塞性隅角緑内障の原因は房水の流れる排水口が閉じて詰まる(虹彩が隅角に張り付いて出口を塞ぐ)。急激に眼圧が著しく上昇した場合(急性緑内障発作)は、眼痛・充血・目のかすみの他、頭痛や吐き気を自覚することもあります。こういう場合は、大変苦しいですし、急速に視野が悪化していきますので、すぐに治療を受ける必要があります。
一方、開放隅角型は自覚症状がないのに視野が狭くなる事が多い。通常視野欠損は周辺部から起きる。
ここに述べたいのが、原発開放隅角緑内障です。
緑内障は、眼圧によって視神経が圧迫され、視神経が減少するにつれて、視野や視力が障害される病気ですが。
視神経が痛められる大きな原因は、眼圧〈がんあつ〉が高過ぎる状態「高眼圧」です。
2.房水と眼圧
「房水」とは目の中を循環する液体のことで、毛様体という組織で作られて、虹彩の裏を通過して前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという定まった経路で循環しています。この房水の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼内に発生し眼球の形状が保たれます。
3.緑内障の発病機序
原発開放隅角緑内障は線維柱帯(とその奥にあるシュレム管)と呼ばれる場所が目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇すると考えられています。隅角とは、線維柱帯を含めての房水の流出路の場所で、角膜と虹彩の間を指す専門用語です。つまり、この病名は、「他の病気のためではなく(原発)」、「隅角が見かけ上開放されているのに(開放隅角)」、視神経が障害される緑内障であることを意味しています。このうち、眼圧がいわゆる正常範囲にありながら視神経が障害されるタイプの緑内障を正常眼圧緑内障といいます。
正常眼圧緑内障は、緑内障全体の72%を占めており、また、40才以上の17人に1人がこの病気になる。正常の眼圧は10~20 mmHgです、眼圧が正常にもかかわらず、視神経乳頭の陥凹が拡大するにつれて、徐々に視野の異常が現れてくる。 それは視神経乳頭の構造が相対的に弱い(眼圧に対する感受性が強過ぎる)場合です。
また、正常眼圧緑内障では、視神経の血液循環が悪かったり、遺伝や免疫、酸化ストレスなどのいろいろな原因のために、通常では緑内障を起こさない程度の眼圧でも視神経が障害されるのではないかと考えられています。また、正常眼圧緑内障の患者さんには高齢者が多くて、近視の頻度も高いことから、加齢や近視もリスク要因であると考えられています。
正常眼圧緑内障の人には、末梢血管の循環が悪いといわれ、冷え性の人が多く、手足の冷たい人、低体温、低血圧の人が多いと言われている。
分子栄養学的に考えると、正常眼圧緑内障の人は、通常からの食事が低タンパク食ではないかと思われています。野菜中心の食事だったり、偏った食事だったりして、栄養のバランスがとれてない ということになります。
4.緑内障の症状
原発開放隅角緑内障は自覚症状がほとんどないのが特徴です。しいていえば、頭痛や眼精疲労くらいです。進行すると、見えない場所(暗点)が出現する、あるいは見える範囲(視野)が狭くなる症状が最も一般的です。しかし、日常生活では、両眼で見ていますし、多くの場合、病気の進行は緩やかなので、初期は視野障害があってもまったく自覚しないことがほとんどです。実際、緑内障の患者さんが自覚症状で気がつくのは、かなり進行してしまって視野や視力が悪化してからということも多いです。視野障害が進行した場合は、視力が低下したり、場合によっては失明することさえありえます。しかも緑内障が恐ろしいことの理由の一つは、緑内障の進行は常に一方通行であり、喪失した視野や視力を治療によって取り戻すことができません。
◆注意する点
視力が落ちてなくても視野が狭くなることはある。視野の中心部は視神経繊維が多いのでたとえ視野がかなり狭くなっても、視力は保たれることが多い。緑内障で視力が低下した時は失明が近くなった事を意味している。
一旦障害を受けた視神経や視野は元には戻らない。従って症状が無くても1年1回程度の定期検診がかかせない。
5.緑内障の西洋医学治療
緑内障の西洋医学治療は、あくまでも緑内障の進行をゆっくりにするためのものであり、見え方を改善することはできません。
(正常眼圧緑内障を含めて)すべての緑内障において、眼圧を下降させることで、緑内障になるリスクが下がることが知られていますし、緑内障になった患者さんでも、その視野が悪くなる(緑内障が進行する)可能性を低くすることができます。したがって、緑内障の患者さんにとては、自分の眼圧値を知っておくこととともに、眼圧値を安全な範囲にコントロールしていくことが重要です。
治療の目的は進行を止める、または遅らせることであり、回復させるものでない。
①薬物療法
多くの緑内障では、薬物療法が治療の基本となります。現在では、さまざまな薬効を持った点眼薬が発売されており、緑内障のタイプ・重症度・眼圧の高さなどに応じて処方されます。一種類の目薬だけで効果が少ないと判断された場合は、複数の目薬を組み合わせて処方されます。また、眼圧を下げる飲み薬もありますが、全身の副作用が強く出ることがあり、内服できない場合もあります。目薬は病状を維持するためのものです。症状が改善しないからといってやめてしまわず、長期的に根気よく続けていくことが重要です。
②レーザー治療
レーザー治療には主に二つの方法があります。一つは、虹彩(いわゆる茶目)に孔を開けて、眼内の房水の流れを変えるというもので、多くの閉塞隅角緑内障がこの方法によって治療可能です。虹彩に孔を開けるときにレーザーを使用します。もう一つは、線維柱帯に照射することで房水の排出を促進するためのレーザー治療です。一部の開放隅角緑内障に効果があります。レーザー治療の痛みは極軽度で外来で行うことができます。
③手術
薬物療法やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われる治療です。大まかには、房水を眼外に染み出すように細工をする手術と、線維柱帯を切開して房水の排出をたやすくしてやる手術の二つがあります。手術をしても症状が改善するのではなく、あくまで眼圧を下げて進行を食い止めるのが目的です。残念ながら、手術してまもなく眼圧が再上昇のケースが少なくないです。
6.緑内障の日常生活
① 興奮しすぎたり、喉が渇いたからと水分を一度に大量飲んだりすると眼圧が上がりやすいので注意。水をたくさん飲んだ後で目の奥が痛いような場合は念のため眼科を受診した方が良い。
②ネクタイをきつく締めると頸動脈が締められ眼圧が上昇するので緑内障を誘発し易いとの調査研究がある。
③ ステロイド薬で眼圧が上がることがあるので、ステロイドを使う場合は、定期的に眼圧を測ること。
7.鑑別診断
緑内障とは眼圧を十分下げると、緑内障の進行は改善できるか、阻止出来ます。緑内障と間違えやすい病気
①視野障害
緑内障では特有の視野障害から始まる。孤立暗点、弓状暗点、などが特徴である。
視野異常疾患で重要なのは視交叉病変である。下垂体腺腫、下垂体卒中、下垂体形成不全など脳下垂体に関係する病変を、緑内障と区別する必要がある。
外傷性視神経障害、虚血性視神経症、頭蓋内動脈瘤、視神経萎縮、脳腫瘍 などが鑑別診断の対象になる。
②視神経病変で鑑別すべきもの
先天性視神経乳頭形成障害、遺伝性視神経萎縮、後天性視神経炎、虚血性視神経症、うっ血乳頭ばどは緑内障と間違えやすい病気で、眼圧を下げても病状は改善・停止しません。
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