2014.01.22漢方知識
漢方医学からみる冬と健康4――隠れ脱水
昨日、暦で大寒でした。連日に東京の気温は0-8℃ぐらいになりました。
脱水症を予防する夏の話と思われがちですが、実に冬にも脱水もしやすいのです。ただ、感じにくいため、隠れ脱水と言えるでしょう。
冬の隠れ脱水の原因は下記のようにあげられます。
(ア) 水分摂取が減ります:夏より水分が多いものをとらないこと、水分をとる意識が弱い。
(イ) 空気が乾きますので、汗の不感蒸泄(ふかんじょうせつ)および気道からの蒸発量が多くなります。
(ウ) 長時間のお風呂:気温が低い、冷え症が出やすいため、湯ぶねに長く入って汗が出たりする。
(エ) 運動量の低下―血行不良―下肢のむくみ:有効利用されている循環量の低下のため、むくみが出ながら、脱水状態になることもあります。
冬の脱水は下記の病状の原因となります。
(ア) 肺燥:気道の繊毛運動の低下、咽頭痛や風邪や喘息などの呼吸器疾患の発生や増悪につながります。
(イ) 気陰不足:ふらつき・眩暈・頭痛・意欲低下・だるさなどの症状を引き起こします。
(ウ) 瘀血:脱水は脳梗塞や心筋梗塞の発症に関係あります、特に高血圧や動脈硬化や糖尿病のある方に、その発症の可能性が高くなります。
隠れ脱水を防ぐことは大切です。
(ア) 口の渇く前に水分を補給しましょう。食事の時にも水分やスープ類などを飲みましょう。
(イ) 部屋の加湿:加湿器を使って、湿度を50%にしましょう。冬には湿度が30%以下の日が多い、暖房器具を使うとより下がります。
(ウ) 長すぎるお風呂は避けましょう。お風呂の途中や後にすぐに水分を補給しましょう。
(エ) 運動を適当にすることにより、血液循環をよくしたり、また体の水分利用代謝能力もアップしたりすることになります。
(オ) 乾燥の環境にマスク着用して、のどや気道の乾燥を多少でも防ぎましょう。
(カ) みかんやリンゴなどのフルーツをとりましょう。ミネラルの補給になりますし、高血圧にもよいでしょう。
(キ) 漢方薬では、麦門冬・天門冬・知母・山薬・甘草などは肺陰を補って潤いをとります。当帰・地黄・芍薬・川芎などは皮膚や全身をうるおって、血行もよくします。さらに、病態に合わせて牡丹皮・桃仁・紅花・牛膝などで瘀血を去り、黄連・黄芩・山梔子・黄柏などでこもった熱毒をとります。黄耆・茯苓・朮・防已などで浮腫み、人参・五味子などで疲労倦怠を解消します。
冬と健康について、四部分に分けて漢方医学の観点も入れ込んで書きましたが、皆さん、いかがでしょうか?
ぜひとも、今後とも私たちのブログやHPの情報を活用していただき、元気の日々を過ごしてください。
脱水症を予防する夏の話と思われがちですが、実に冬にも脱水もしやすいのです。ただ、感じにくいため、隠れ脱水と言えるでしょう。
1.冬の隠れ脱水の原因
冬の隠れ脱水の原因は下記のようにあげられます。
(ア) 水分摂取が減ります:夏より水分が多いものをとらないこと、水分をとる意識が弱い。
(イ) 空気が乾きますので、汗の不感蒸泄(ふかんじょうせつ)および気道からの蒸発量が多くなります。
(ウ) 長時間のお風呂:気温が低い、冷え症が出やすいため、湯ぶねに長く入って汗が出たりする。
(エ) 運動量の低下―血行不良―下肢のむくみ:有効利用されている循環量の低下のため、むくみが出ながら、脱水状態になることもあります。
2.冬の脱水と病状
冬の脱水は下記の病状の原因となります。
(ア) 肺燥:気道の繊毛運動の低下、咽頭痛や風邪や喘息などの呼吸器疾患の発生や増悪につながります。
(イ) 気陰不足:ふらつき・眩暈・頭痛・意欲低下・だるさなどの症状を引き起こします。
(ウ) 瘀血:脱水は脳梗塞や心筋梗塞の発症に関係あります、特に高血圧や動脈硬化や糖尿病のある方に、その発症の可能性が高くなります。
3.冬の隠れ脱水の対策
隠れ脱水を防ぐことは大切です。
(ア) 口の渇く前に水分を補給しましょう。食事の時にも水分やスープ類などを飲みましょう。
(イ) 部屋の加湿:加湿器を使って、湿度を50%にしましょう。冬には湿度が30%以下の日が多い、暖房器具を使うとより下がります。
(ウ) 長すぎるお風呂は避けましょう。お風呂の途中や後にすぐに水分を補給しましょう。
(エ) 運動を適当にすることにより、血液循環をよくしたり、また体の水分利用代謝能力もアップしたりすることになります。
(オ) 乾燥の環境にマスク着用して、のどや気道の乾燥を多少でも防ぎましょう。
(カ) みかんやリンゴなどのフルーツをとりましょう。ミネラルの補給になりますし、高血圧にもよいでしょう。
(キ) 漢方薬では、麦門冬・天門冬・知母・山薬・甘草などは肺陰を補って潤いをとります。当帰・地黄・芍薬・川芎などは皮膚や全身をうるおって、血行もよくします。さらに、病態に合わせて牡丹皮・桃仁・紅花・牛膝などで瘀血を去り、黄連・黄芩・山梔子・黄柏などでこもった熱毒をとります。黄耆・茯苓・朮・防已などで浮腫み、人参・五味子などで疲労倦怠を解消します。
冬と健康について、四部分に分けて漢方医学の観点も入れ込んで書きましたが、皆さん、いかがでしょうか?
ぜひとも、今後とも私たちのブログやHPの情報を活用していただき、元気の日々を過ごしてください。
富士堂東洋医学研究所 所長 許 志泉
2014/01/21
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