2018.09.25アトピー・蕁麻疹・皮膚疾患
乾燥性皮膚炎
皮膚が痒くて物忘れ――乾燥性皮膚炎の漢方治療 許志泉
2010年冬(2月)に、皮膚掻痒10年間、口渇、煩躁、集中力や記憶力の低下を訴えた60歳の女性が漢方治療に求めてきました。
詳しくきいたら、10年前50歳(更年期)より背中にかゆみを伴う赤い湿疹が出ました。その後毎年冬になるとかゆくなります。そのうちに夏以外に、かゆくなりましたが、その後一年中ひどいかゆみがでて、カサカサです。2年ぐらい前より腹部、胸部までに広がり、全身に広がりました
口がいつも渇いて、カラカラでお茶をよく飲みます。膣の乾燥感や痛みも感じます。よく物忘れがあり、心配して病院にて認知症テストもやってもらいましたが、認知テストは正常でした。汗はかかない。食欲はある。一日一回排便。
ドライアイはないです。運動習慣はない。
既往歴:3年前に帯状疱疹
薬歴、副作用:ピリン系鎮痛剤で発疹
中医学では、血が虚にして風・燥が生じて痒くなり、風・燥は熱毒に化けていることだと分析した。
漢方治療は血を養い、風を袪し、燥を潤し、熱毒をさまし、痒を止めるということにしました。
漢方薬は当帰・地黄・シツリシ・芍薬・川芎・防風・荊芥・何首烏・黄柏・荊芥・山梔子・黄連・黄柏・黄芩・茵陳蒿などを用いて、服用させました。
漢方服用してから、2週間のうちに効き目が感じました。痒みがどんどん軽くなりました。のどの渇きも、集中しにくい、健忘やボーっとするなども改善した。
2011年02まで一年間の治療で、すべての症状はなくなりまして、漢方治療が終了にしました。
この症例を詳しくみると、三つの段階があります。
第一、単純な乾燥性皮膚炎
50歳より毎年冬に出る皮膚乾燥は、当然乾燥性皮膚炎と診断すべきです。また膣の乾燥や痛みもあり、乾燥性膣炎ともいえるでしょう。
第二、一年中 皮膚掻痒・皮膚炎
冬のみから一年中に皮膚掻痒・皮膚炎に変貌しました。皮膚掻痒および掻き壊すことで皮膚がより敏感になり、一年中に痒くなってしまいました。
第三、皮膚掻痒・皮膚炎による不眠、精神面や自律神経失調症
皮膚掻痒・皮膚炎による眠れない、イライラなどの精神面や自律神経失調症となっている段階です。皮膚掻痒・皮膚炎による熱毒が生じてきて、イライラ・睡眠障害・喉の乾燥感・記憶低下・自律神経の乱れがでました。
この症例から見えることは、皮膚症状が皮膚の局部だけではなく、全身にも影響することです。また、外用のみの治療がやはり足りないことはわかります。
より根本から、より全体的に漢方診療することは何よりでしょう。
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